指先とハンドクリーム

食べたり読んだり日記を書いたり

日記:10月30日〜11月5日

10月30日(月)

母と会う日。お昼頃に待ち合わせて、一緒に定食屋へ。夏頃より随分と元気になっていて、表情が明るいことにホッとした。「焼き魚定食が今は秋だから秋刀魚になってて美味しかったよ」とオススメすると母はそのままそれを注文していた。運ばれてきて「これ秋刀魚じゃないんちゃう」と言う。そして食べて一言「これ鯵やな。ゆきこちゃん、これ、秋刀魚じゃなくて鯵。アジ」嘘やん。三十年生きてきて秋刀魚と鯵の違いが分からなかったのか、とトンカツを食べながらウケた。焼いた秋刀魚最高!と思いながら二回も食べたのに。

そのあとはおばあちゃんに贈るプレゼントを調達するべく雑貨屋を見て回った。母の時と同じようにステンレスボトルや紅茶、アロマオイルなんかを箱に詰めて郵送した。きっとすごく喜んでくれるだろうなと思うと嬉しかった。母は自分用にマグカップを二つと部屋用の温かいパンツを買っていた。買い物って楽しいよね。一番楽しいかもしれない。

一日中歩き回って足がパンパン。スマホのアプリで歩数を確認すると1万4千歩だった。すっごいな。よく歩いた。

 

10月31日(火)

冷蔵庫に余っていた白菜をたくさん入れてサッポロ一番を作ったら、水分が出て味が薄まってしまい美味しくなかった。残念。胡椒を振ったらいくらか美味しくなった。白菜と胡椒は好相性。

覚悟を決めて遅番で出勤。明日から店内はクリスマスバージョンになるので、閉店作業に加えて棚替えもしなければならない。社員さんと一緒にひたすら店内をクリスマスに変えた。変えても変えてもまだやることがあって、予定より一時間半押して、やっと終わらせてお店を出た。23時だというのに、ビルの入り口のでっかいポスターを業者の人たちが交換していた。日本中の場所で、今夜、ハロウィンからクリスマスに変わっているのだなと思いながら帰った。

 

11月1日(水)

お店の仲の良い人たちと四人でランチ。店長に頼んで休みを合わせてもらい、この日をずっと待っていた。駅前で待ち合わせ。出勤の時よりおしゃれをしているみんなはいつもより可愛い。あらかじめ決めていたお店に入ると、美味しそうなケーキやマフィンが並んでいて心が踊る。ランチのあと絶対食べようと胸に誓う。

同じお店で働いているので、大半はその話だった。「なんでこんなに疲れるかな〜」だの「もっとこうだったらいいのに〜」だの愚痴ばかりだったけれど、こうやって吐き出すことでまた頑張れるというもの。この前停電してほんと大変だった〜と、私も聞いてもらった。四人ともパートナーと住んでいるので、生活のあれこれや悩みも話し合った。こういうとき、そっちの家ではどうしてる?みたいな意見交換が気軽に出来るのは嬉しい。紅茶のおかわりが自由だったので延々と飲み、延々と話してしまった。

喋り疲れたので夕方頃解散。また明日からも頑張ろうね、と言い合う。帰ったらTさんはもう晩ご飯を食べ終えたようなので一人で食べていると、隣に座ってゲームをし始めた。食べ終わるまでここにいてやる、という意味だと受け取った。ちょっと嬉しかった。

 

11月2日(木)

読書とフランス語勉強の日。カフェの机が高くて肩が凝ってしまった。晩ご飯にクリームシチューを作りましょうかとTさんにメッセージを送ると「クリームは飽きたからもういらない」と返ってきてショックを受ける。なんだそれは。貴族なのかあなたは。ショックを受けている間に「これ買ってきてほしい」と買い物リストが送られてきた。手羽元にトマト缶に生クリーム…、ははーん、チキントマトクリームスープですね?美味しそうじゃーんと思いながら買い物を済ませる。

帰ってTさんに材料を渡すと「まだまだ時間がかかるからお風呂でも入り」と言ってくれたので野菜だけ切ってお風呂に入る。上がってからTさんを観察していると、なにやら鍋を二つ使っていた。「すっごい美味しいの出来た!」と完成したらしいスープを飲むと、驚き桃の木山椒の木の美味しさだった。何これ!?と聞くと、買ってきたにんじんセロリ手羽元を煮込んで出汁をとり、それを煮詰めたトマト缶に入れて伸ばして、生クリームを加えたらしい。てっきり具材ごろごろのスープになると思っていたので、まさか野菜とお肉はブイヨン要素だなんて、そりゃ市販のルーには敵わないわ…。煮た野菜も一緒に入れて潰してあって、ポタージュみたいだった。トーストにつけて食べた。またこれ食べたい。

 

11月3日(金)

文化の日。おばあちゃんから手紙が来ていて、読むと超ハイテンションでこの間のプレゼントに対する喜びが綴られていた。思わず笑ってしまう。おばあちゃんの手紙はいつも楽しくて、気持ちが分かりやすい。

昨日のスープをジャーに入れて出勤。学生バイトくんが寝坊して来ていないらしく、お店に着いた途端「すぐ入ってほしい!」と言われる。午後、電話がかかってきて「今起きました…」と学生バイトくん。声が青ざめている。心を鬼にしてしっかりめに注意。寝坊というか、今日を出勤だと思っておらず、お昼まで寝ていたらしい。なぜそうなったのか、いつもはどうやってシフトを確認しているのか聞く。かなり落ち込んでいて可哀想だったけれど、いいよいいよ〜じゃダメだと私自身が何度も注意されているので、こっちが手に汗を握りながら注意した。傷つけるつもりはないと分かってもらえる程度の、しかし真面目なんだぞという具合の声色を調節した。電話だと難しい。

そんなことおかまいなしに店は混む。売り上げはすごい。

 

11月4日(土)

早起きするつもりがいつも通りの時間。久しぶりに早番で出勤。気合いを入れるために野菜生活を飲みながらずんずん歩く。体調が良くバリバリ働いてあっという間に退勤の時間。お店が混みすぎて、100%の力を発揮したとしてもまかなえない。これこそチームワークが試される時ですね。

ニトリの木製ラックが欲しいので店舗に寄ってチラ見して帰る。家のスペースは限られているので邪魔にならないかどうか、よくよく考えないと。それでも私のよくよく考える時間はとても短い傾向にあるので、夜にはネットで注文していた。自分用の可愛い棚を作る。楽しみ。

 

11月5日(日)

少しだけ早起き成功。ちゃんと洗い物を片付けてから早番で出勤。今日は仲良しのSと同じシフトなので朝からるんるん。お店が開いたらすぐ大変になって、あっという間にるんるんしている場合では無くなった。店長が休憩時間を被せてくれたのでSとご飯を食べる。推し。休憩後も一緒に頑張る。

上がってから、この間渡した手紙に添えていたイラストを大層褒められる。写真まで撮ってくれていた。「LINEスタンプあったら絶対買うよ」と言われて、また絵を描いてみようかなと思った。単純すぎるだろうか。好きな人から褒められるとすぐ調子に乗ってしまう。そういえば、一昨日の学生バイトくんが顔を見るなり飛んできて謝ってくれた。くまさんのように大きい体を丸めて、普段の半分くらいの大きさになってしまっていた。もうぜーんぜん怒ってないよ!気にしない気にしない!と笑いかけてもしばらくおどおどしているのが可哀想だった。元気出してね。

帰ったらTさんがハンバーガーを作ってくれていた。食べ終わったあとそのまま畳にぼてっとなった。疲れすぎて動けない。祝日含めた三連勤はハードすぎて毎回へとへとになる。気力でお風呂に入り布団にもぐる。はー終わって良かった、と思った。