指先とハンドクリーム

食べたり読んだり日記を書いたり

日記:10月25日〜29日

10月25日(水)

のっそり起き上がり、熟睡したなーと喜びを噛み締める。熟睡できることは幸せだ。体調のバロメーターとして舌の状態と唇の血色を見るととても分かりやすいので、気になるときは鏡の前でベーっとしてチェックしている。体調が悪いとき、舌はでこぼこしていて所々ただれて痛いし、唇は白くて血色が悪い。今日は二日目だけど体調は良さそう。

いそいそと準備してカフェへ。Tさんが横目で「一人で美味しいもの食べてくるんか」と言いたげに見ていたので、そんなそんな、大したもの食べませんよ、みたいな顔をして家を出た。そしてちゃっかりジェノベーゼのパスタを食べた。濃いバジルソースとチーズが絡んで美味しい。ひらいめぐみさんの『踊るように寝て、眠るように食べる』を読み終える。出勤前のマクドで、皮膚科の待合室で、色んな場所で読んだ日記本。生活と共にあった。本に添えられてあったお手紙が嬉しかったのでそのまま栞として挟んでいた。

ぶらぶらと本屋を歩いて、何度目かのフランス語の参考書を買った。何回挫折しても一切の興味が無くなることはなく、また勉強したくなる。なんでだろ。

夜、唐突に映画が見たくなってスマホで上映している映画を調べる。一年ぶりにメルティーキッスを食べる。スーパーでガッキーのメルティーキッスの歌が、繰り返し延々と流れていたことを思い出す。

 

10月26日(木)

遅番で出勤。以前にも書いた、大変ご迷惑なお客様が引っ越しされるらしく「この間のご来店が最後だったのよ」とパートさんに教えてもらった。裏で、みんなでガッツポーズ。こういうこと、きっといろんなお店であるんだろう。服屋で、ラーメン屋で、ガソリンスタンドで、スーパーで、私たち従業員は悪いお客さんに精気を吸い取られている。しかもそういう人は全然自覚していない。スタッフを雑に扱って迷惑をかけるお客さんを許さない。私はずっと覚えている。もうお店の誰も憔悴する必要が無くなったのだと思うと嬉しかった。何よりも自分も。

スムーズに終えて極々平和な一日。たっだいまー!と帰るくらいには元気だった。

 

10月27日(金)

寒いので、白菜とツナのあんかけうどんを作って食べる。遅番で出勤。欠員が二人出てしまった。インフルエンザが流行っているらしい。それだけでもキツいのに、夕方の雷雨で店内が停電するハプニングが発生。こういう時に限って社員さんは休みの日で、私たちだけで何とかする。どうしたらいいですかー?ゆきこさーん!と口々に呼ばれて、あの、私は、ブレーカーを見てくるので!と言い残しとりあえずブレーカーを見上げた。ブレーカーを見上げてもよく分からない。全部ついてるね、これ…。大元のビル全体がおちてしまっているみたいだった。通信障害でPayPayが使えない?申し訳ございません、現金かクレジットカードにお支払い方法変えていただけますか、大変お待たせして申し訳ございません、ご迷惑をおかけして申し訳ございません、ただいま停電の影響で、と申し訳ございませんパレードだった。

しくしくしく。私はしがないフリーターなんです、社員じゃ無いんです、もう帰りたい。今すぐに帰ってTさんと何か美味しいものを食べて布団に潜ってYouTubeでも見てケタケタ笑いたい。もう知らないよ私は。理性と残り少ない使命感で何とか閉店作業まで終わらせて帰った。重なるなぁ。

 

10月28日(土)

有休消化のため三連休。やったやった!どれだけ休みが多くても困らないところが、私の一番の長所と言っていいかもしれない。午前中はわっせわっせと家事。洗い物に洗濯、スーパーに買い出しに行って、煮物を作るところまで一気にやってしまった。どうよ!この間買ったお得用パックの鶏肉を、切って切って半分は煮物に、半分は今夜の唐揚げになる予定。

まだ染み具合が足りない煮物を食べてカフェへ。何度目かのフランス語の参考書を抱えていく。久しぶりにタリーズに入ったら全くというほど集中できず、字が滑って何を書いているのかさっぱりだった。粘ったけど本を閉じて、別のお店を探す。スタバはどこもいっぱいだった。別のカフェに空席を見つけて、しばらくそこで参考書を読んだ。

晩ご飯は味の染みた煮物と、揚げたての唐揚げのダブルコンボ。美味しくてお腹いっぱい食べた。幸せ。

 

10月29日(日)

7時過ぎに起きて身支度。冷えていたので一年ぶりにコートにブラシをかけて羽織った。Tさんはすこし厚めのニットを着ていた。今日は遠くのカフェまで行く約束をしていたので、二人とも機嫌良く元気に出発。

カフェに着くとそれぞれ好きなことをし始めるので、私はどちらかというとお店に向かうまでの道のりが楽しかった。Tさんは歩いているときはあーだこーだと話をしてくれる。カフェに着いてからは黙々と絵を描いていたので、私はお店の人が貸してくれた小説を読んでいた。

お昼はロイヤルホストでハッシュドビーフソースがかかったオムライスを食べた。何を食べても美味しいから、ロイホに来るのがいつも楽しみ。トッピングの牛肉を大事に最後まで取っておいた。

犬の散歩をしている人、中国人観光客の団体、高そうなスーツを着たおじさんたち、みんなが秋の心地いい空気の中で気持ちよさそうに歩いていた。私もかさかさの葉を踏んだ。晴れの日が続いているので秋をたくさん噛み締めている。

晩ご飯は昨日の煮物の残り。Tさんはお釜に残った冷やご飯と冷蔵庫の残り物で炒飯を作っていた。羨ましいのでそっちも少しもらう。残り物がきれいになくなって、私たちやるね、という空気が流れた。