指先とハンドクリーム

食べたり読んだり日記を書いたり

日記:10月13日〜17日

10月13日(金)

親知らずの抜糸の日。朝イチなので起きてすぐに用意。なんとなく気になって、おそるおそる口を開けて患部を見てみたら何やら歯茎の一部が白い。なんだろう?膿んでる?いやいやまさか。不安になってTさんに、アーと見せた。見て見てよ。なんか白くない?するとTさんは「タンパク質なんやから白くて当たり前やろ」と言ってきた。何だそれは。ってか何でそんなこと知ってるの。新しく歯茎が作られている=タンパク質=白い、ってこと?と頭で処理する。

医者でも何でもないTさんの発言で少し安堵して病院へ。抜糸してもらう。一瞬だし全然痛くなかった。患部はどうなってるんだろうとずっと不安だったけれど、先生は一言「うんうん、きれいに治ってきてますね」と微笑んだ。そうですか!ではあの痛みはデフォルトなのですね、順調に治っていたとしてもあんなに痛いのですね、と感心した。めっちゃ痛かったよ、ほんとに、つい昨日まで。

糸が取れただけでも痛みが半分くらいになった気がする。ずっと口の中でピロピロしていた糸が無い!洗ってもらったし本当にスッキリした。大満足な顔で喫茶店へ行き、トーストとハムエッグのモーニングを食べた。滝口悠生さんの『ラーメンカレー』を読み終える。そのまま一時間カラオケして、モスバーガーで日記を書く。鼻がむずむずして押さえようとハンカチを探すと、無い。さっきのカラオケの部屋に忘れたらしい。

よりによってTさんからプレゼントしてもらったハンカチなので、大慌てでカラオケ屋に戻りスタッフさんに声をかけた。封筒に入れてきちんと保管されていた。良かったー!と思わず言うと「良かったです、またのご来店お待ちしております」とニコッとされて嬉しい。落とし物はあまりしないのでちょっと新鮮だった。

晩ご飯はチキンカツトッピングのほうれん草カレー。どんどん食べる。食欲旺盛。

 

10月14日(土)

アラームで起きる。久しぶりに早番で出勤。ミーティングがあったので、一昨日モヤモヤしていたことを思い切って話してみた。思っていたより周りの理解が得られて慰められたような気持ちになる。解決策も一応考えて下さっているみたいなので少しはホッとした。

後半、歯と頭がガンガン痛くなり、EVEを飲んで数分座らせてもらう。心配した社員さんが肩を揉んでくれた。他人の体に触るのって一瞬躊躇うのに、サッと揉んでくれたのが嬉しくて、心がぽわっと温かくなる。とても良い人。

上がりまであと少しなのでなんとか持ち直して最後までやり切る。荷物を忘れたことに気づいて戻り、外に出ると雨が降っていて傘を忘れたことに気づいて戻り、そして帰りの道中では提出しなければならない物を出し忘れたことに気づいた。リュックに入れっぱなしだ。ダメダメじゃん!何やってんだろうと落ち込む。

晩ご飯はTさんが用意してくれていたサラダと、スパイシーなソースをまとったチキン。辛くてヒーヒーしながら食べる。お風呂も済ませて割と早めに布団に包まって眠る。布団、温かい。

 

10月15日(日)

ベッドから出れずにうだうだしていると、掃除機を持ってメガネをかけたTさんがドドンと登場した。むくっと体を起こすと「邪魔だからそのまま寝てて」と言われる。トイレに行きたいんだよなと思いそのまま起きると、洗面所でも机の周りでもTさんの掃除機と鉢合わせた。だから言ったのに、という顔をされる。邪魔してスミマセン。

ピカピカのお天気、シーツを干す。スタバのフードチケットを持っていたのでマフィンとデニッシュを買って外で食べた。気持ちがいい。

広場みたいなところで男の子がリフティングの練習をしていて、それを横目に本を読んでいた。突然座り込んでしまって、どうしたのかなと顔を上げると男の子が泣いていた。泣いている…!上手くできなくてスンスンとむせび泣いている。そんな小さいのに、一生懸命で、えらいな…と勝手に感動した。でもすぐに、それって勝手に美化しているだけで実際はただしんどくて、やりたくなくて泣いているだけかもしれないと考え直した。子供のあれこれを、大人はすぐに美化する。

男の子は、いかにも「クソッ」って感じで壁にボールを数回強く蹴ってから、またリフティングの練習をし始めた。やっぱりえらいじゃん。サッカーボールなんてほとんど蹴ったことないけれど、あれ、固くて痛いんだよな。

午後、電車に乗って大阪へ。osajiの香水の香りを嗅ぎたくてわざわざ直営店まで行った。期待していた割には結構普通の香りで、特に心打たれる感じでは無かった。他の香りも試したけれど、店員さんの熱意が全然無くて気分が冷めたので何も買わなかった。

私は今、香水を探している。グッとくる香水を探している。最後にグッときたのは高校生の頃持っていたマジョリカマジョルカの赤いビンの香水だ。あれ大好きだった。古すぎる。

そこから数店舗回る。SHIROとイソップの店員さんはしっかり接客してくれて、香りの印象や、移り変わりを教えてくれた。ムエットを渡されるだけだと、素人にはどれもこれもがいい匂いで、結局これは何の匂いなのか分からない。イメージや作られたストーリーなんかを聞くともっとしっかり匂いを捉えることができて、楽しかった。

夕方頃、やっと絞れたイソップの香水を買って帰宅。香水というよりは、今まで使っていたハーブオイルみたいな立ち位置で使えそう。最初は結構しっかりした香りだけど、時間が経つとお香みたいに落ち着いた匂いになる。

くたくたで帰宅、きのこパスタを作る予定だったけれどお腹を空かせたTさんが作ってくれていた。刻んだイタリアンパセリやバターがふんだんに使われていて、私が作る醤油きのこパスタなんかより本格的だった。色んな味を吸ったきのこがうまいのなんのその。

 

10月16日(月)

ぐっすり眠って起床。久しぶりに家で少し仕事をした。お昼にししとう鯖缶を使って焼きうどんを作ったら、すごく辛かった。辛いししとうに当たったな。

夜はTさんと一緒に花火を見に行くので、ひと足先に出かけてカフェで本を読んだ。小原晩さんの『これが生活なのかしらん』を読み終える。あぁ面白かった。

Tさんと駅前で待ち合わせ、しばらく散歩。夕暮れできれいなピンクの空だった。ハンバーガーをテイクアウトして一緒に食べる。やっぱりここのは格別に美味しい。花火の時間までしばらく座って待つ。どんどん人が集まってきて、老若男女、みんな花火を楽しみにしていた。

大規模な花火ではないけれど、気合いの入ったフィナーレが見られて大満足。終わった後、みんなで拍手をした。乗りたい電車があったのですぐさま駅までダッシュ。時計を見て「もう間に合わんか」と言っているTさんに間に合う!と言い返して意地で走った。Tさんは結構前にいて、追いつけなくてどんくさい走りでひぃひぃ走った。駆け込み乗車はいけないのできちんと歩いて乗る。間に合った。走りすぎて肺が痛い。もうこんな思いはしたくない。最寄り駅に着いてからTさんが「走ったこと、日記に書くんか?」と嬉しそうに聞いてきた。どうしよっかな。

 

10月17日(火)

広告の漫画をついつい読んでしまい、遅めの起床。今日はいつもより一時間遅い出勤なので、手足の爪を切り、鼻歌混じりに洗い物、米を炊き、薬を塗って着替える。貰い物のちょっといいコーヒー豆をホットで淹れてTさんと飲んだ。

せっかく余裕があるのでお弁当を作ろうと思い、だし巻き卵と、ウインナーとかいわれの炒め物を詰めていたらギリギリになり、結局いつもみたいに慌てて出勤。

何となく気が乗らず、心ここに在らずな感じで何となく接客をする。先日、フレグランスショップを回った時に、やはり良い接客というものは気持ちがいい、頑張ろう。と思ったのに全く発揮されなかった。

休憩でお弁当箱を開ける。ちょうど周りに仲良しのスタッフたちがいたので、見てよこのセンスのないおかず、盛り付けwと見せたら「卵焼きの時点でえらい!」「野菜が入っててえらい!」「私こういうの好きです!」と口々に褒められいい気分で食べた。

閉店作業までしっかり終えるとやっぱりクタクタになった。学生スタッフがショートパンツを履いていて、寒くないんかな、若いなぁと思っていたら仕事用のスニーカーからロングブーツに履き替えていた。なるほど。「ショートパンツ寒くないんかなって思ってたらロングブーツなんやね。めっちゃ可愛いやん!」と伝えたら「しっかり靴下も長いんですよっ」と膝下まである靴下をチラッと見せてくれた。マブいぜ。

帰ってから、お腹がぐーぐー鳴る。パスタもハンバーグもラーメンもおでんも食べたい。でももう今は23時半なので、諦めて髪を乾かして、薬を塗って、歯磨きをして寝た。