指先とハンドクリーム

食べたり読んだり日記を書いたり

日記:9月25日〜28日

9月25日(月)

起きてすぐ用意、すぐ出発。半袖シャツにニットベストを合わせて、ようやく秋らしい装いが出来て嬉しい。歩いていたら多分暑くなるだろうけど、いいのだ、早く着たいんだ!

電車に揺られてTさんとカフェへ。天気がいいのでテラス席に座る。隣の芝生で走り回っている白くてもふもふの犬が可愛くて、しばらく二人でメロメロになる。飼えるのはずいぶん先になるだろうけど、想像しただけでニヤける。何歳くらいでどんな雰囲気なのか全く想像も出来ない、いるであろう自分の子供と、犬と、Tさん。芝生…散歩…クレープ買ったりして…。私が欲しかったものの全てみたいに想像の中では輝いているけど、現実は大変なんだろうな、子供も犬も。妻でも夫でもないただの恋人同士の二人暮らしはお気楽で楽しくて、いつかいろんな壁を乗り越えないといけない日が来るんだなと芝生の緑を見ながら思った。Tさんは何を考えているか分からない顔をしてたけど「こういう場所ではなにも考えずボーッとする方がいいで」とか言いそう。だから多分何も考えてない。

しばらく日記を書いた。隣でTさんも作業する予定だったけど、気が乗らないみたいでひたすら遠くを眺めていた。目を休めているらしい。

お昼、この前スパイスカレーが美味しかったお店に入る。前回と全く同じものを二つ注文。スパイス好きなTさんも頷く美味しさのようで良かった。外では無口で無表情なTさん、私はせっかくご馳走したのだからもっと喜んで欲しくて、お会計が終わった後も、美味しかったやろ?な?美味しかったやろ?カレー、と何度も聞いた。楽しさや美味しさを共有するとき、相手にも同じくらい盛り上がってほしい願望が昔から根強くある。反応が薄いと勝手に悲しい。イカリスーパーに寄って、Tさんはチョコや缶詰なんかをぼいぼいカゴに入れていた。

夜は餃子作り。私はキャベツとニラをみじん切り、Tさんは肉だねをこねて味付け係。二人で黙々と皮を包んだ。焼くのはもちろんTさん、私は洗い物。お皿にひっくり返した餃子は花びらみたいにびっしり並んでいてきれいだった。タレにつけてはふはふ食べた。良い日。

 

9月26日(火)

気分は秋モードなのに日差しが強くて洗濯を干す時にいちいち嫌な気分になる。肌にビシビシくる感じがもう嫌だ。柔らかいじんわりとした秋の日差しに早くなってほしい。

そういえば秋は、掃除するのに一番良い季節。洗濯もすぐ乾くし、掃除をして汗をかくことも凍えることもないので体の負担も少ない。ぼちぼち、年に一回しかない大掃除をやるか。気になる箇所をスマホにメモする。排水溝に振りかけて水を流すとモコモコ膨らんできれいになるやつ、楽で大好きだからまだ家にあるか見ておかなきゃ。メモメモ。

「顎が痛い」とTさんが訴えてきた。在宅ワークのTさんは集中力を持たせるためについついおかしをつまみがちなので、抑えるためにキシリトールガムをよく噛んでいる。タバコより全然いいと思うけど、顎が痛くなるほど噛むのは良くなさそう。お茶はどう?と提案。やる気を出したいときもリフレッシュしたい時も飲み物を用意するのが私は好きだ。しかもお茶は体に良い。紅茶でもハーブティーでも緑茶でも。

するとTさんは台所の戸棚の奥からすり鉢を取り出して、シナモンスティックを砕き始めた。ホールのカルダモンも。あっ、そこからする感じ?私はティーバッグか、そうじゃなければせめて茶葉かなって思っていたけど。スパイスと茶葉を煮出してミルクで割って、チャイを作っていた。何気なくお茶を提案しただけなのにかける手間がすごいな。

家を出る前にTさんに、そろそろ大掃除するから余裕あったら手伝ってとスマホのメモを見せるも、日中は仕事してるからと言われちょっとむくれて家を出た。何この家、カメムシいすぎやん。

遅番で出勤。夏休みや連休が終わって、のんびりした日だった。暇すぎるのは嫌だけど、余裕が持ててたまにはいいよな。元気よく帰ると、洗面所に掃除用具が立てかけてあって、お風呂を見るとピカピカになっていた。Tさんー!ありがとうー!と大声で話しかけると「ちょっと見てみるか?」と得意げな顔でお風呂場を見せてくれた。「この辺と、この辺。きれいにしてん」と微笑んでいた。カレーご馳走した時の私と同じだ。壁のカビを擦るのはすごく疲れるからお風呂掃除が一番嫌だと思っていたので、一気に掃除のハードルが下がった。感謝。

いつもより早く帰れたので寝る前にスイカゲームをした。次こそは、を重ねてやりすぎてしまう。

 

9月27日(水)

起きたらくしゃみが出る。ちょっと喉が痛い。インフルの前兆かと怯える。怯えながらピーマンを焼いて食べた。目玉焼きとウインナーとご飯も用意して、立派にきちんとしたお昼ご飯を食べた。ちょっとでも気を落ち着けるために冷蔵庫にあった野菜一日これ一本を飲みながら駅まで歩く。

遅番で出勤。今日はうってかわって忙しく、パートのスタッフさんの子供が熱を出して帰ってしまった。他のスタッフの遅刻もあり、てんやわんやになる。こういう時、私が頑張って立て直していかなきゃならないのに喉が痛いのが気になってなかなかテンションが上がらなかった。休憩で急いで薬局に行って喉の痛みを抑える飴とマスクを買う。悪化しませんように…。

飴を舐めつつ最後まで粘って終わらせる。あぁ、もっと元気に終わらせたかった。Tさんに喉が痛いと訴えると「最近寒そうに寝てるで」と言われた。

今日は大人しく早めにぬくぬく寝る。

 

9月28日(木)

8時に起きる。喉の痛みは悪化することなく、治っていて一安心。そういえば一昨日の夜、スイカゲームをしながらサーキュレーターの風に当たっていて、歯磨きしようと洗面所に立ったら顔色が悪くてびっくりしたっけ。直風に当たるのは良くないと母が昔からよく言っていたけど本当にそう。絶対それが原因だ、とピンときてスッキリした。私は暑いのにどこかでは寒いのか。季節の変わり目はこうやって風邪をひくのか、なるほど。

スマホのメモを見ながら掃除。今日は冷蔵庫とコンロとシンクの大掃除。冷蔵庫、冷凍庫、野菜室を全部拭き掃除した。もう中身のないジャムとか、いつから冷凍されているのか分からない玉ねぎとかを見つけて捨てた。気持ちがいい。

台所のワゴンの中身の見直し。ティーバッグを大切にしすぎて賞味期限が切れている。Tさんが愛用していたマキネッタが埃を被っていたので、いつでも使えるようにきれいに洗って戸棚にしまった。

Tさんと暮らして初めての冬、マキネッタでエスプレッソを淹れるのにハマって毎朝カフェラテを一緒に飲んでいた。スーパーでバニラアイスを買ってきてアフォガードを作ってくれたときは、世にこんなに楽しい人がいるのかと感動した。あのときの家とか、アフォガードを作るTさんを思い出して、このマキネッタは絶対捨てないと洗いながら思った。あとでTさんにこの一連の内容を熱弁したところ「あー」と言われた。もっと興味持たんかい。

ひとしきり掃除して休憩。キーボードと本を持って出かける。モスバーガーで日記を書いてから1003へ。来るのは結構久しぶりで、新刊の本がたくさん並んでいたのでウキウキ気分で見た。小原晩さんの『これが生活なのかしらん』と北尾修一さんの『自分思い上がってました日記』の二冊を購入。小原晩さんの新刊を見つけて、『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』の人の本だーと軽い気持ちで開いたら最初にすごい詩が載っていて一瞬で引き込まれてすぐ買おうと決意。北尾修一さんの日記本はどんどん立ち読んでしまうから買った。

その足でちょっと遠くのカフェへ。ずっと歩いているとやっぱり暑い。坂道を登って階段を登った先にやっとあったお店に入る。体を冷やさないためにホットの紅茶を注文。「砂時計が落ちるまで待ってからお飲みくださいね」と大きなポットが置かれて、砂時計の砂が落ちるのをじっと見ていた。久しぶりに見た。紅茶はバニラの香りが混じっていて、本当にいい香りだった。ホットコーヒーの湯気とか紅茶の香りにはとんでもない作用があるような気がする。本を読んでから帰る。10月は積読をどんどん解消したい。秋は素晴らしい。

晩ご飯は唐揚げ、かいわれとキムチの冷奴。ネットで届いた新米を食べた。炊き立てご飯はいつだって美味しいから正直そんなに差が分からないけど、もちもち!ふっくらやね!と大絶賛しながら食べた。せっかくの新米ですから。