指先とハンドクリーム

食べたり読んだり日記を書いたり

日記:3月8日〜11日

3月8日

また左耳の調子が悪い。気持ち悪さを抱えたまま働きたくないので朝一で耳鼻科へ。花粉のシーズンだからみんなティッシュを手にしていて、子供から大人まで辛そうだった。耳のついでに鼻と喉も診てもらったが、私の花粉症は大したことないらしい。ふぅん、って感じだった。左耳は順調に治っているよと言われ一安心。前回もそうだったが「鼓膜の近くを触るので、耐えられないほど痛かったら手をあげてね」と、えっもうそれはどんな痛みなん!?と覚悟を迫られるようなことを言われた割には全然痛くないのだ。これっぽっちも。私の鼓膜が強いのだろうか。

残り物のブロッコリーとウインナーと冷やご飯で適当リゾットを作って食べた。遅番で出勤。今日は店長との面談があった。「ここ数ヶ月はお褒めの言葉をいただくことも多くて、自分でも結構良い感じだったんじゃないかなと思ってます!」というざっくばらんな振り返りを言ってから、ちゃんとどう良かったのか話すことができて、具体的に話せるということは自分の中で思い入れも手応えもあったんだな、と口を動かしながら思った。店長は「いやでも本当に、ゆきこさんがいなかったら今のお店は無いと思ってる」と恋愛ドラマさながらのセリフでベタ褒めして下さり、最後に昇格の話が出た。確かに良い感じだったが、あくまでも雰囲気作りというか、売り上げに直結するようなことや目覚ましい成長を遂げたわけでも無かったので、昇格なんて1ミリも考えてなかった。「業務面でもう一歩足りないけど、(昇格するか)ゆきこさんが決めていいよ」と、店長らしい意地悪を言った。それは頷けば「出来ないことを出来るようになります」宣言をすることになる。でも、ここまで手応えや自信が持てる機会はそうそう無いような気もするし、何より頑張ったご褒美が欲しかったので、昇格してもらった。

面談後の閉店作業は、目がチカチカして気がそぞろだった。嬉しさと不安が半分づつ。Tさんから「おめでとう」とメッセージ。自分からしんどい道を選ぶのは久しぶりな気がして、帰り道、ちょっと誇らしかった。

 

3月9日

2月末に停止されていた仕事が復活した。思っていたより早く復帰できて良かった。朝、久しぶりにパソコンで仕事をする。正確さに問題があったのかスピードに問題があったのかは分からないのでとりあえず慎重に取り組んだ。

午後、ひと段落したので身支度をして出かける。コートがいらないくらい暖かかった。昨日面談で話したことを忘れないうちに書いておこうと思ってロルバーンのリングノートを買った。仕事のメモ帳はもう持っているが、これは別である。「出来ないことを出来るようになるためのノート」である。大きいノートだと課題も期待もいっぱいあるような気がしてしんどいので1番小さいサイズにした。手のひらに納まる量でないと私には荷が重い。

風が気持ちいいのでたくさん歩いた。本屋に寄って「A子さんの恋人」を買いたかったが1巻だけが無かった。窓辺に置いてある水栽培のヒヤシンスが倒れて濡れていた。店主に声をかけると「頭が重くって」と笑っていた。

カフェに寄って、さっき買ったノートに出来るようになるべきことと、これからしたいことを書いた。書いてみると少しだけワクワクした。

スーパーでトマトと、特売のパイの実を2つ買って帰る。パイの実、すごく久しぶりなんじゃないか。食べるのが楽しみ。晩ご飯はTさんのトマトパスタ。お店みたいに美味しい。食後、やっと確定申告を終わらせた。

 

3月10日

午前中は仕事。お昼前にTさんとアジアン食堂へ。仕事が停止された時や確定申告の時など、何かとお世話になったお礼にフォーをご馳走する約束をしていた。生の米麺を使ったフォーに春巻きがセットになっているランチを頼んだ。多分初めてフォーを食べた。こんな味なんだ。鳥の風味は思ったより控えめで、レモンやライムをたくさん絞って酸っぱくすると美味しい。

デパ地下でホワイトデーのお返しにマカロンを買ってもらった。ちょっと一悶着あった。私がお返しはマカロンがいいと言うと、Tさんはお返しだからと言ってプレゼントを買うのは嫌だと言っていたのだ。そうするとバレンタインデーでチョコをもらった時の嬉しさが半減するし、義務感が生まれるのが嫌だと。自分のタイミングであげたい時にあげるのが本当のプレゼントだと。言いたいことは分かる。でも私はせっかくのバレンタインだから、Tさんに喜んで欲しいと思って当たり前のようにチョコを選んだからなんか切ないじゃん。だからこのマカロンはしぶしぶ買ってもらった。しぶしぶのプレゼントに何の意味も無いことを、昔痛いほど思い知っている。来年からはもう言わないでおこうと思った。しぶしぶでもノリノリでもマカロンという食べ物はめちゃくちゃ美味しい。久しぶりに食べたが、もっと頻繁に食べるべきだと思った。

 

3月11日

8時前に起きる。グラノーラを食べようと思ったら切らしていたのでロールパンを食べて早番で出勤。終わってから、店長に業務面で不安なことを聞いてノートにまとめた。明日から連休をもらっているのでとりあえず今わからないことだけでもクリアにしておきたかった。「ゆきこの分のパイの実食べた」とメッセージ。事後報告なんかい。さすがの私もパイの実くらいで怒ったりしない。珍しく2時間ほど居残って、21時に帰宅。Tさんがご飯を炊いてくれていて、豚肉と小松菜の炒め物を残しておいてくれたのでありがたくパクパク食べた。体に沁みた。