指先とハンドクリーム

食べたり読んだり日記を書いたり

日記:6月9日〜11日

6月9日(金)

眠くてなかなか起きられず、9時前にのっそり起きた。ゴゾゴゾした物音で何となく分かっていたけど、先に起きたTさんが洗い物やゴミのまとめをやってくれていた。それは基本的には私の担当なのに、寝かせておいてくれたんだなと優しさが伝わる。Tさんが朝マックを買ってきて、その中からソーセージマフィンを1つもらった。身支度をして、昨日の残りの豚汁を啜って遅番で出勤。明日と明後日は休みなので気合いだ!

昨日が精神的にキツすぎたので仲良しのSや店長に愚痴ってしまった。最近愚痴っぽいような気がする。気をつけないと。「しんどい時はこまめに吐き出して」と言われたけど、相談するのと、弱音を吐くのと、愚痴を言うことの境目が分からない。他人を不快にさせたくないから言った後で考え込んでしまう。今日も色々あったけど何とか終わらせて帰宅。3連勤が2回続いただけでこんなにやられてしまう自分はどうなのかと思うけど、体調もあったからしょうがない。冷蔵庫に冷やして食べるタイプの茶碗蒸しがあったので食べた。プラ容器に黄色くてプルンとしたものが入っていると、脳が完全にプリンだと思ってしまうのか口に入れた瞬間しょっぱくてしばらく変な気持ちになった。冷たい茶碗蒸しもうまい。

またハゲが出来そうなくらいしんどい連勤だったので、明日からの二日はうんとリフレッシュしようと思いながらゆっくり寝た。

 

6月10日(土)

8時過ぎに起床、洗い物と洗濯をする。今日と明日はTさんが楽しみにしていたサーモンランのフェス、ビッグランが開催されているので少しだけ私も一緒にやらせてもらう。お昼は珍しく父と兄と食事する予定らしく、Tさんは急いで出かけていった。

私もゆっくり準備していつもより時間をかけて髪を巻いた。思ったより上手に出来て嬉しい。普段とさほど変わらないんだろうけど、私だけが分かっていればそれでいい。

家を出て、電車には乗らず長い長い散歩をした。風は涼しいけど歩き続けているとだんだん汗ばんできて、梅雨っぽい湿度。喫茶店に着く頃には結構汗をかいていた。ピラフを食べながら『ラーメンカレー』を読む。ひとしきり読ませてもらってお会計。

久しぶりにカメラ屋へ入る。そろそろフィルムを入れようと軽い気持ちで買いに行ったのだけど、伸びていた手が思わず引っ込む値段だった。Kodak GOLD、1850円か…。すごい高いな…。でもフィルムがないと撮れないわけで買わないわけにはいかず、1本購入。大切に撮らなきゃ。

お気に入りのカフェに行くと知り合いがスタッフとして立っていて、お互いに「あっ」となる。最近始めたんです、と言っていた。すごく親しい間柄の人が店に立っているとどうしても外の自分になってしまいくつろげないけど、ほどよく知り合い程度なのでいつも通りゆっくり出来た。コーヒーフロートを飲みながらしばらく読書。日記も書いた。こういう時間がとても好きだと思う。満足して帰宅、Tさんとハンバーガーを作って食べた。

 

6月11日(日)

8時過ぎに起床、洗い物、洗濯。今日はグラスがたくさんあって、洗い終わったあとの水切りカゴがきれいだった。ガラスが重なっている様子が好き。

支度をして、お昼はレトルトのカレー。今日は蟹の親子さんと柿内正午さんの日記にまつわるトークイベントに参加するので出かけた。行くまでは緊張していて乗り気じゃなかったけど、結果参加してよかった。とても楽しかった。

日記をつけている人の話を聞く機会はとても少ない。そもそも日記をつけている人ってどのくらいいるのだろう。なぜ日記を書こうと思ったのか、そしてどんな風に書いているのか、いろんな人のお話が聞けた。

そして日記を書いて本にしている蟹の親子さん、柿内正午さんのお二人の話もとても面白かった。それぞれ考え方や表現の仕方が違って、それぞれに良さがありお二人のことがもっと好きになった。誰かの日記を読むときに、その人物を知っている場合と知らない場合がある。知っている人の日記を読むときは、例えば有名な作家だとすれば、どんな生活をしているのだろう、普段はどんなことをしているのだろうという職業や肩書を通した興味がもともとあり、その人の生活や心情を知る面白さがある。

全く知らない人の日記を読むときは、その人がどんなことを仕事にして生活しているのか、どのくらいの年代なのか、どんなことを考えているのか読み進めていくうちに自分の中でぼんやりと筆者のイメージが出来ていく。蟹の親子さんの『浜へ行く』はまさにそれだった。そのぼんやりとしたイメージがある段階で、実際にその人物に会ってお話を聞くというのは珍しくて面白い体験だった。こんな人がこんな思いで書いていたんだ、というような。当たり前だけど日記に書かれていることはその人のほんの一部にしか過ぎない。

どんな日記が良いとかどんな書き方がいいとか、そんな正解のようなものは何もなくて、何を書いてもいいし、全てを書く必要もないし、なんだか日記って楽しいなと思えた。日記は自由だということをずっと忘れずにいたい。

イベントのあと、しばらく店内で買い物。柿内正午さんと少しお話して『会社員の哲学(増補版)』を買った。「難しい本なのですか」と聞くと笑いながらどんな内容なのか説明して下さって優しかった。めっちゃ良い方だ。くどうれいんさんの『桃を煮るひと』もちゃんと並んでいたので買う。むちむちした表紙。

テンションが上がっていたのでもっとぐいぐい色んな人とお喋りしたかった。ラジオが好きだと言っていた方にも話しかけてみたかったし、映画好きな農業家の方ともお話してみたかった。でも、それって出しゃばっているのかなと思って、今日はもう満足する話が聞けたからいいやと思って店を出た。もったいなかったかもしれない。

買った本を持って、ほくほくな気持ちでカフェへ。ホットチョコレートを飲みながら『会社員の哲学(増補版)』を読んだ。笑っちゃうほど面白い。なぜ働かないといけないのか?を考えた本。『桃を煮るひと』もチラッと開いたら初っ端がカリカリ梅のエッセイで、読んでいたらどんどん唾液が出てきてお腹が空いたので帰ることにした。

家に着いて、たっぷりのネギ、ほうれん草、豚肉で塩焼きそばを作ってTさんと食べた。この二日間楽しかったな。ちょっと蒸し暑い夜だった。