指先とハンドクリーム

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2022年に好きになった本たち

特別お題「わたしの2022年・2023年にやりたいこと

とうとう今年も残り少なくなってきた。2022年は私史上、1番たくさん本を読んだ年になったと思う。自分的には学生時代、読書って苦手でそんなに本を読んでこなかったように思っていたけど、母に聞いてみると昔から本を読むのが好きだったじゃない〜だそうだ。そうかな?

中高生の頃はまだ狭いジャンルの本にしか出会っておらず、乙一さんや宮部みゆきさんの「ブレイブ・ストーリー」が大好きで繰り返し読んだりしていた。本=小説だった。

大人になってからの読書は学生の時よりもぐんと楽しくなった。小説といってもいろんな作家さんを読んでみたり、エッセイや実用書、歌集からZINEまで。どんどん本が好きになった。世の中にはたくさんの本があるので、本を好きになれると楽しい。買わなくても、本屋をぶらぶらするだけで楽しいのだ。

今年読んで大好きになった本をいくつかここで紹介しようと思う。

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水上バス浅草行き」岡本真帆

今年の春この本を読むまで、「現代短歌」というジャンルを全く知らなかった。短歌といえば、百人一首。私の中での短歌は「我が衣手に雪は降りつつ」で止まっていた。現代短歌って何!?こんなに今時の言葉で…いいの!?いいのか!なんて素敵なんだ現代短歌!と大感激し、こっそり自分で作ってみたりもした、そんな春。(字数に悩むのがイヤになりすぐやめた。)この本の短歌は手に取るように分かるものから胸にじゅんと沁みるものまでたくさん詰め込まれていて大好きな一冊。好きすぎて、おばあちゃんと、今年の夏異動してしまった大好きな女の子に贈った。

 

「まばゆい」僕のマリ

僕のマリさんといえば「常識のない喫茶店」という喫茶店で働く日々のエッセイ本が有名で、接客業をしている私にとっては本当に共感と救いのような本だった。でも私はこっちの「まばゆい」の方がもっともっと好きだ。この本もエッセイなのだが、喫茶店でのエピソードではなく、僕のマリさんの周りの人たちについて書かれてある。その人たちの、その生活の、なんと愛おしいことか。自分のことではないのにすごく惹かれて、買ってすぐにカフェに入って読んでいたのだが、涙がじわじわ止まらないから読むのをやめて帰った。読み終わるのが惜しくて1エピソードづつ大切に読んだ本。

 

「TODAY'S SPECIAL 今日をどう楽しむ?「食と暮らしのDIY」春夏秋冬のおうち時間」

好きな雑貨屋さんが本を出した!本当にどツボの内容。春夏秋冬を軸に、その季節を、暮らしを楽しくするアイディアが載っている。春なら朝ごはんと花。トーストのレシピや食器、花の生け方など。夏はハーブとそうめん。ハーブの効能やそうめんのレシピなど。秋は文具にコーヒー、ご飯。冬はクリスマス…といったように、季節って楽しみが盛り沢山だ!と思わせてくれる本。これを読んだからといって、全てを真似できるわけじゃないけど、気分が上がるので「ちょっと整えてみるか…」と家のことに手をつけやすくなる。ご飯とかコーヒーとか植物って本当にいいよなぁと改めてしみじみ思える本。

 

「虎のたましい人魚の涙」くどうれいん

この秋に出たばかりのエッセイ集。くどうれいんさんの本は初めて読んだのだが、もっとこの人のことが知りたい!と思ってまだ読み終わってないのに前作のエッセイ集「うたうおばけ」も買ってしまった。お守りみたいにキラキラとしたものからちょっと心がしくしくしたり、ちょっと笑えたり、いろんなエピソードがあってどんどん読みたくなる。実はこの本を読んで、私も文章が書きたい。とぶわっと思ったのだ。それではてなブログを再開したのである。エッセイを読むと、その人の感じや生活が少し覗ける。エッセイと日記ってかなり似てると個人的に思う。とりあえずエッセイなのか日記なのかは分からないけど私も書いてみようと思ったのだ。あと数ページを残してまだ読み切っていない。年内に大切に読みきる予定。

 

「日常の中に生まれてくるある瞬間について」安達茉莉子

日常の中で出会う、大切で心に残したい瞬間。ぴたりと当てはまる言葉はない「あの感じ」がたくさん書かれている詩画集。イラストのクマちゃんが可愛くて可愛くて。この本は本屋さんで立ち読みしているときに見つけた。立ち読みしているとたびたび「ぐ……」となる本に出会う。言葉には出来ない「あの感じ」を誰もが持っている。私は何だろうと考えてみた。「休みと分かっていて目覚める朝の、あの感じ」「気取らない格好をして街を歩く、あの感じ」そして「本屋さんで立ち読みしていて「ぐ…」となる、あの感じ」が好きだ。この本の中に出てくる「あの感じ」は私の語彙力では到底書けないストーリーと感情が詰まっているので、是非読んでみてほしいと思う。

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小説も読んだが、今年は特に好きなエッセイにたくさん出会えた年だった。ちなみに小説のなかでは町田その子さんの「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」漫画では真造圭伍さんの「ひらやすみ」がダントツだった。読めば読む分だけ「ぐ……」な本に出会えることを知ってしまった2022年。来年もたくさん本屋に通おう。