指先とハンドクリーム

食べたり読んだり日記を書いたり

恋人はサンタクロース

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街もお店もクリスマスムード一色になった。私はクリスマスを迎えるまでの時期が大好きだ。まず、ホリデーシーズンに登場するスパイスを使ったコーヒーや焼き菓子たち。暖かそうなクリスマスカラーの小物。そしてうきうきするクリスマスソング。

本当はずっと好きだったのに、Tさんと出会うまでは「けっ」と思っていた。悲しい女である。クリスマスなんて、お店はひっちゃかめっちゃかに忙しいし、カップルは浮かれててこっちの話聞いてないし、晩ごはんがケンタッキーになってケーキ食べるだけじゃん。とか思っていた。まぁそれは当日の話なのだけれど。

クリスマスソングのジャジーな感じ、自分には何をプレゼントしようかネットで色々物色する楽しい時間、寄り道してホリデーコーヒーを買って温かい店内でほっとする幸せ。1人でも楽しみはたくさんあった。でも、2年前のTさんと暮らして初めての冬、彼は私よりもずっとずっとこの時期を楽しんでいた。そして一緒に楽しんでくれた。

まず、11月1日から「ホリデーシーズンになりましたよ」と言わんばかりに毎日クリスマスソングを家で流し始めた。あの有名なスヌーピークリスマスアルバムである。毎朝起きたらパソコンでこれをかける。口ずさんだり、踊ったり、朝から陽気な彼に何度助けられたか分からない。

O Tannenbaum

O Tannenbaum

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次に、無印良品で買い物をしているときに「これ一緒に組み立てよう」とヘクセンハウスを持ってきた。お菓子の家だ!と驚いた。こんなものが無印良品にあったのか。世の温かな家ではこれを組み立てたりするのか。うぅ…と涙目になった。

それから、クリスマス当日は何を作ろうか、ワインとおつまみを買いに行って、家で煮込み料理だけ作ろうか、などと予定を立てたりしてくれた。クリスマスにワインを買いに行くなんて、洒落てる…!と内心ウキウキした。

そして極め付けは「クリスマスケーキを予約しよう」だ。クリスマスケーキはホールなのだ。私はホールケーキなんてほとんど手にしたことが無かった。クリスマスケーキは、いつものショートケーキに"Merry Xmas"と書かれたちっちゃなチョコを乗せただけでは…?と思わしきクリスマスショートケーキを1ピース買って帰るに決まってる。そんなことを言われたのは人生で初めてだったので感激し、日記に綴った。

他にもクリスマスシーズン限定のコーヒーを飲みに行ったり、お菓子を買ってきたりと彼はウキウキしていた。そしてクリスマスが来るまでを楽しみに待った。私も負けじと(?)ココアをお湯で溶かすのではなくお鍋で作ってみたり、可愛いクマのクッキー型を買ってきてクッキーを焼いたりもした。お菓子作りは全然好きじゃないのに、完全に浮かれている。

そしてクリスマス当日、午前のうちに買い出しをしてケーキを取りに行って、帰って2人で料理をした。ワインとおつまみを食べながら「ホームアローン」を観た。Tさんはクリスマスに毎年観るらしいけど、私は観るのは初めてだった。

映画の後、Tさんはプレゼントと一緒にメッセージカードをくれた。そのカードが嬉しくて嬉しくて大泣きしたのを覚えている。こんなにも温かいクリスマスは初めてだったからだ。「恋人がサンタクロース」やん、と思った。

恋人がサンタクロース

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思い返すと、あのクリスマスまでの日々は私にはあまりにも温かくてしあわせだった。何よりも「私と一緒に楽しみたい」という彼の気持ちが嬉しかったのだ。改めて書くと照れ臭いけれど、今年も最初のクリスマスのことを思い出したので綴っておく。

今年で3回目になるTさんとのクリスマス。今年は改めて、一緒に居てくれている感謝を伝えようと思う。ここに書くだけじゃなく!