指先とハンドクリーム

食べたり読んだり日記を書いたり

最近読んだ三冊

空き時間についつい携帯を触ってしまうのがもったいなくて、だからと言って別の何かをするにはちょっと大袈裟だなぁという時。やっぱり読書がいいなと思う。

映画は区切らずに一気に見たいからまとまった時間が必要だし、日記を書いたりするのは気力がないし。料理をするのは億劫だし…(笑)と何かと理由をつけて遠ざけてしまうけど、読書は私の中でのハードルが下がりつつある。

開けばすぐに始められるし、数ページ読んだところでやめてもいい。最近は朝ごはんを食べながら読むことが多い。感想とも言えないものだけど少しだけ書いておこう。(内容に触れる部分もあるかもしれないのでこれから読む方はご注意ください)

 

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「たゆたえども沈まず」原田マハ

印象派である画家、フィンセント・ファン・ゴッホの物語。ゴッホは生きている間に一枚しか絵が売れなかったという。(諸説あり。一枚も売れなかったという話も)亡くなってからその才能が認められ、作品は大きな美術館に飾られ、今も世界にたくさんのファンがいる。ゴッホは生きている間から人気の画家だと思っていたのでそのことを最近知り、驚いた。ゴッホのことを知りたいと思いこの本を手に取った。

史実をもとにしたフィクションなので原田マハさんの物語になっているが、ゴッホの一生が細かくしっかりと描かれていた。自分の絵をまだ受け入れようとしない世の中に苦しみ、自分の人生や絵に対する苦悩がいつもついてまわる人だったのだとこの本を読んで思った。

 

「すべて真夜中の恋人たち」川上未映子

女性特有の感情をまざまざと見せつけられた印象だった。嫉妬とか、打算とか強がり、よく見せようとする気持ちなどなど。どろどろとしたもの。マウントを取る、なんてのもね。私はそんな感情持っていません、知りません、なんて人は一人もいないと私は思う。登場人物も”本当のいい人”なんて一人も出てこなかった。

こういった黒くて厭らしい感情とひそやかで煌めく恋心に主人公の気持ちは揺り動かされ、今まで避けてきた人との関わりや本音を見せ合うこと、そして三束さんと出会ったことは主人公にとって良かったと思った。

 

「サクラ咲く」辻村深月

若い読者に向けて書かれた作品らしく、簡単な漢字にもルビが振ってあって微笑ましかった。三つの短編集だったが表題作の「サクラ咲く」は続きが気になりどんどん読み進めてしまう面白さがあった。主人公マチの勇気を出す瞬間、変われたこと。瑞々しくて青春だなぁ〜となってしまった。眩しい。

 

今は吉田篤弘さんの本を読んでいる。かなり好みでこの人の本はたくさん読んでみたいと思っている。服装も軽くなってきてアイスコーヒーが美味しい日も増えてきて、なんだかより気軽に読書が出来る気がする。