指先とハンドクリーム

食べたり読んだり日記を書いたり

映画「かそけきサンカヨウ」

久しぶりに夜に映画館へ行った。見たのは「かそけきサンカヨウ」という作品。お客さんはたったの4人しかおらず、大号泣の人、あくびばかりしている人、普通の人、そして私だった。

かそけきってなんだ?と思って調べたら

幽けき:今にも消えてしまいそうなほど淡くて儚い様子。

古語らしい。なるほど、サンカヨウにぴったり。

(自分なりの)あらすじ

父と二人暮らしをしていた高校生の陽。ある日突然父が恋人を紹介したいと言い出し、その人と再婚するつもりだと告げる。4歳の連れ子のひなたと再婚相手の美子さんが家に住むことになり4人暮らしが始まった。本当の母への想いや新しい家族への戸惑いと向き合いながら家族、同級生と関わり合っていく。

感想

○登場人物はどの人も優しさを持っていて全体的に温かみがあった。陽の家族だけではなく、他の同級生もそれぞれに家の事情を抱えていて、そこがリアルで感情移入しやすかった。演技が上手なのも理由の一つ。

○映画を見ている間、自分は子供の頃、親は親である前に一人の人間だということを全然理解してなかったなと思った。親だって自分の気持ちを子供にも分かってもらいたくて当然だよなぁ。他人の気持ちは理解しようと努めるのに親になると急にそこを省いていまっていた。父(井浦新さん)や、美子さん(菊池亜希子さん)はとても真剣に陽に自分たちの気持ちを伝えていた。他に出てくるシーンも、大人と子供が対等であるように感じた。子供を子供扱いせず、誤魔化さずに気持ちを伝えているのがとてもいいと思った。

○陽の「せっかく一緒にいるんだし」というセリフが響いた。せっかく一緒にいるのだから、気持ちは伝える。一緒にご飯を食べる。話を聞く。相手を理解する。

 

また見たいと思える映画が増えたぞ〜!夜に一人で映画館に行くワクワク感も格別でした。映画館からの帰り道はいつも楽しい。

つらつら

やらないといけないことはたくさん浮かんでくるのに、なかなか動き出せない日。1ヶ月の中で数日やってくる。3日かな、もっと長いか。PMSである。些細なことでぶわぁと泣いたり、一日なんだかなぁという気持ちを抱えたまま過ごしたり。イライラしたり眠かったり様々あるが、長く付き合ってきたのでそれなりに対処方は知っているつもり。それでも毎回やっかいだ。

さっき、美味しいフルーツサンドを食べたというのに、もうその幸せを忘れて不貞腐れていたので戒めにこれを書いている。最近は黙々と仕事をする毎日だった。そしてもうすぐ、梅雨が明けるらしい。雨が降る日も、なんだか心穏やかに軽やかに過ごせた。前回の健康診断から食生活に気をつけているのだけど少し気をつけるだけでなんだか気持ちが落ち着いているような気がする。なんだろう?

もう夏が来て、毎日アイスコーヒーを飲んでいる。アイスコーヒーという言葉が大好きだ。氷のキラキラとカランカランという音も大好きだ。家で淹れたのも、外で買ったのもいい。コンビニで手軽に買うやつも、コーヒースタンドで淹れてもらうめちゃくちゃ美味しいやつも全部好きだ。喫茶店で飲む、キレイなグラスに入ってるやつもいい。夏にアイスコーヒーがあってよかった。

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梅雨が明けたらひまわり畑に行こう。という話を最近したけど私は暑さにめっぽう弱く、行けるかどうかは分からない。真夏はもっぱら家で過ごす。近所までの買い出ししか行けないし、フィルムを持ってウロウロすることも諦める。代わりといってはなんだが夏の夜は大好きだ。夜に行く花火大会とお祭りが大好きだった。夜のビアガーデンも。夏の夜って、本当に特別な匂いと空気が漂ってると感じる。大人なのに、大人になった気分がするのだ。去年も今年も、花火大会には行けない。でもTさんがPORTRA800のフィルムを注文してくれていたのでこの夏の夜はどこかへ行きたい。

明後日の日曜日、春から楽しみにしていたライブに行く。今日はトマトを消費したいからトマトソースかミネストローネを作ろうと思っていたのに断念してしまった。仕事も本当はあともう一息頑張りたかった。けど、まぁいっか。

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2021 夏のかばんの中身

この間健康診断に行ったら、いや、うんわかってはいたけど太っていた。

近頃美味しいものばかり食べたもんなぁ。美味しいものというか、贅沢なお店のご飯。引越しに誕生日、記念日とお祝いが続いたんだから仕方がない。あのパスタもあのお肉もあの魚のブイヨンベースも忘れられないけど、しばらくは美味しい美味しいお家ご飯で頑張るかぁ。割と規則正しい生活をしてるから食生活を整えて甘いものを我慢したら痩せると信じている。運動は嫌いだから、食べるものでどうにかしたい。

 

人のかばんの中身を見るのって面白い。

いつから、「かばんの中身」というキーワードが出てくるようになったんだろう。そういう特集を雑誌の記事やYouTubeの動画で見てきた。その中で、あぁそういう風に使えるものがあるんだとか、その知恵素敵だなとか色んなヒントをもらった。

季節ごとに持ち物は変わっていく。聞きたい音楽が変わるみたいに。でも大体は定番化してきたように思う。「定番以外に変わっていくその持ち物」が今自分が重きを置いているものなんだなぁと分かる。

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2021 夏のかばんの中身

  • 黒い革の財布
  • モレスキンの手帳
  • 黒いペン
  • 文庫本一冊
  • お直し用鏡&リップ
  • nahrin ハーブオイル33+7 ロールオン
  • 無印良品 自分で詰める水のボトル

お財布と手帳、ペンはいつもの定番。黒で統一してある。コンパクトでいつも使う物だから手にもよく馴染んでいて愛着がある。

あとは時間が出来た時に読むための文庫本。その時に読んでいるものを入れている。鏡はビーズの刺繍がしてある可愛いやつ。ちょっと見る時に。リップはまだお気に入りに出会えていない。きっとマスクのせいだな。今はマスクにつきにくいような気のする オペラ リップティントを使っている。マスクのない生活恋しいなぁ。

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新しく持ち始めたnahrinのハーブオイル

実は今まで、香りの効果というものをあまり信じてこなかった。〇〇の香りでよく眠れるとか、ほんとか〜?って感じだったし、気分を落ち着けるためにアロマを炊いたりもしたことがない。でも疲れた日にシャンプーをしている時、いつもよりシャンプーの香りがとてもいい気がしたのだ。なんの香りだろう、ラベンダーか。ふむふむ。癒されるわ〜…。あっ!癒されてるじゃん!!とまぁこんな感じで突然信じるようになった。笑

そんな時このnaharinのハーブオイルに出会った。なんでも、頭痛や肩こりを緩和する効果があるらしい。さすがにそれは言い過ぎじゃないかな…と思ったが私は慢性的な肩こり持ちでいつも悩まされている。肩こりからくる頭痛も頻繁に起こる。鎮痛薬を飲むか我慢するかいつも悩んでしまう。そこでこのハーブオイルを試してみることにした。こめかみや肩にも直接塗れて、少しスーッとする感じ。香りもとても良くて癒された。きっとこの香りが良い気分転換になって、呼吸が深くなったり姿勢が良くなったり気持ちがリラックスしたりすることが頭痛や肩こりの緩和に繋がるのかな、といった感じ。もう少し使ってみないと分からないけど、気分転換にはとても良い。

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新しく持ち始めた無印良品の水のボトル

最近なんだか喉が渇いている気がする。少し渇いているなと思っても我慢してそのまま帰ったり。マスクをしていると体が渇いていることに気づきにくいらしい。私はとてもめんどくさがり屋なのでマイタンブラーを使うことが億劫だ。コーヒーを入れたりお茶を入れたり乳製品を入れようものなら洗うのが大変!私は私に出来る範囲でのエコを行おうと決めているのだ。

でも飲み物を持ち歩きたいなぁ。でも重いのは嫌だしなぁ。そんな時しっくりくるこれを見つけた。なるほど水だとそんなに汚れないしペットボトルと同じ素材だしコンパクトなサイズだからとっても軽い。持ち歩いてみようそうしよう。この夏はこまめな水分補給を心がけます。

 

しばらく雨予報。最近は雨予報の日も晴れたりするけど、どうなんだろう。今は雨が降っていてベランダにすずめが雨宿りにきている。7月も楽しく、のんびりと。

引越しを終えて、家と仲良くなる

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先月下旬にした引っ越しがやっとこさ落ち着いてきた。一昨日の金曜日にようやく全ての段ボールを資源ゴミに出せて、やっと段ボールを目にしなくてよくなった。荷物の段ボールとは別に、新しく買ったコンロの段ボール、IKEA家具の段ボール、Amazonの荷物の段ボールなどなど…次から次へと現れる段ボールを畳んではまとめを繰り返した。

引越しはほんっとうに大変だった、けれど楽しかった。

コンロが来るまでは炊飯器で炊いたご飯とセブンイレブンレトルトカレーでしのいでいた。初めて食べた時、とても美味しくてびっくりした。こんなに美味しいのセブンのレトルトカレー!もう常備しておくことに決めた。私のお気に入りは「ごろっと野菜カレー」と「キーマカレー」。目と鼻の先にセブンがあるのでとても便利。ありがとうセブン。

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2DKの我が家はちょっぴり(かなり)年季の入ったアパート。お家の雰囲気はおばあちゃん家みたいな懐かしい感じ、をテーマにせっせとインテリアを整えた。とは言ってもすぐには揃うわけもなく1.2年くらいかかりそうだけど。色を統一するのがつまらなく感じるという二人の意見が一致して、木の色は揃えつつあとはカラフル!という感じだ。

テーブルクロスや小物が明るい色だとハッピーな気持ちになる。

少し話がずれるが、もともと日本大好き、日本の外には興味のないお味噌汁が世界の一番だと思っていた私が外国好きなTさんと出会いかなりの影響を受けた。

知らない国の知らない考え方、知らない文化、知らない人たち。自分の知識や許容している出来事はあまりにも狭かったなと思う。どうやら日本以外にも素敵な国はたくさんあるらしい。笑 最近はフランス、アメリカ、台湾に興味があり、そこで暮らす人たちの生活を知りたいと思う。話せたら一番いいのになぁ。あとご飯食べたい。

趣向も少し変わって、とりあえずのシンプルってどうなのと思ったり。可愛い模様や前は見向きもしなかった異国の柄とかにときめいたり。している。世界が広がるのはとっても楽しい。とはいえ私はやっぱり日本の映画や音楽、本が好きだと思うし、豚汁が大好きだ。

そんな感じで楽しく家づくりを続けていけたらと思う。最近楽しかった10の出来事。

  • 水出しアイスコーヒーを仕込む
  • その辺のホームセンターで買った小さなお花を植えてみる
  • 友達を家に呼んでご飯を作る、お喋りをする
  • サーキュレーターを初めて買った。家の空気を循環させる
  • 美味しいマンゴーパフェを食べた
  • 暑くて起きた夜、クーラーをつけて安らかに眠る
  • ボデガのグラスが気に入りすぎていつも置いている
  • 茹でたインゲンをぽりぽり。手軽だし美味しさに気づく
  • Tさんの植えたバジルが生き生きとしている。眺める
  • 可愛いチェックのテーブルクロスをかける

暑くなってきて、とにかく冷たい飲み物が美味しい。つまりはお酒の美味しい季節。緊急事態宣言が終わったら少しくらい飲みに行きたいなぁ。

あと少しで、一つ歳を取る。ありがたいことに、家の中でも職場でも自然体でいられている。周りの人たちへの思いやりを忘れずに毎日のささいな喜びをめいいっぱい感じられる心の持ち主でありたいと思う。

最近読んだ三冊

今日は引っ越し当日!今新しい家に向かっているところなので下書きしておいたことを更新しようと思う。しばらくゆっくり本を読む時間はなさそうだけど、落ち着いたらまた時間を作って読みたいな。

本に触れている時間はやっぱり豊かだ。

最近読み終えた3冊について。内容に触れているので、これから読む方はご注意下さい。

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「やめるときも、すこやかなるときも」窪美澄

来る日も来る日も椅子を作っている家具職人の壱晴と会社員の桜子。壱晴は過去にあった出来事が原因で12月の数日間、声が出なくなる。それを知った桜子との物語。

実家暮らしの桜子は家庭に複雑な事情を抱えていて、桜子の稼ぎがないと生活がままならない状況である。酒に溺れる父、暴力を振るわれるままになっている母、自分より早く結婚し、子供をつれて実家にたびたび帰ってくる妹。そんな桜子が壱晴と出会い、声が出なくなること、過去にあった出来事を知り少しづつ変わっていく。家族も変わっていく。その感じがとても良かった。壱晴の過去についても明らかになっていくが、桜子の心情の方にとても惹かれた。最後はとてもさっぱりとした終わり方で、桜の散る穏やかな日みたいな気持ちになった。

壱晴が川辺で食べていた卵サンドがとても美味しそうだった。ネルドリップで淹れていたコーヒーも。作中に出てきた卵サンドは厚焼き卵のタイプだった。

 

「それからはスープのことばかり考えて暮らした」吉田篤弘

吉田篤弘さんの作品は随分と前に本屋で立ち読みした際に「なんか洒落ている…けしからん!」と意味の分からない印象を持ったキリ、読んだことがなかった。が、この作品がなんとなく気になり買って読んで、すぐに大好きになった。立ち読みした時に感じた「なんか洒落とるなぁ」というのは何かというと…上手く説明できないが、吉田さんの書く文章は”物語”という感じだ。映画を見ているような感じ。それがとても心地よく、読みやすい。それと、少し洋風なテイストが多いように感じた。シネマ、スープ、サンドイッチ、マダム…などなど。それが洒落てると感じた理由だと思う。

この作品に出てくる登場人物はみんな愛らしい。一人一人にドラマがあり、親しみがある。主人公のオーリィ君という青年は商店街にあるサンドイッチ屋さんで働き始める。そのサンドイッチに合うスープを作ることを任命され、試行錯誤する日々が始まった。スープみたいに温かい物語だった。サンドイッチ屋〈トロワ〉のハムのやつ、私も食べたいなぁ。

 

つむじ風食堂の夜吉田篤弘

「それからはスープのことばかり考えて暮らした」がシリーズものだったことを知り、それなら第1作目も読まなきゃと手にした。”月舟町シリーズ”と呼ばれるもので3冊の作品+番外編を含めた4冊の構成になっており、順番関係なく楽しめるようにもなっている。

食堂に訪れる人々を描いた作品。悩んでいたり考え事をしていたり、定食を味わっていたり…。外で一人で食事をする時の私とおんなじだなと思った。ほとんど毎日タンクトップ氏と一緒にご飯を食べるのでいつも何かお喋りをしているが、たまに外で一人の時は黙々と食べる。何も考えずぼーっと食べるのが好きだけど、色々考えてしまうときもある。どっちもいい。そういう風にぼーっとしたり、はたまた考えたりできる場所っていいよなぁと思う。

この作品も登場人物が最高にユニークで愛らしい。

 

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新しい家の新しい風に吹かれながら、やっぱり穏やかに日々過ごしたい。着いたら荷解きか〜…早くゆっくりしたいので頑張るとします。

 

疲れたらまたサンドイッチを食べに行こう

引っ越す家がようやく決まり、手続きやらなんやらで気がそぞろになっているうちに5月になった。引っ越すのは今月下旬。少し古いけど駅近で、日当たりのいいところ。古い雰囲気に合わせて、おばあちゃん家みたいにカワイくして暮らすのだ。楽しみで仕方ない。

 

久しぶりの夜の映画館

5月1日に映画「街の上で」を観に行った。

本当は去年の今頃に観に行く予定だったのに、コロナの影響で公開が延期になっていた。1年越しの今年5月1日に公開することになり、毎月1日は映画の日で料金も安いし、仕事も休みだし、よし見に行くぞと前々から決めていた。

この映画は今泉力哉監督の作品で好きな監督さんの一人だ。6年前に「サッドティー」という作品を一人で観に行った時に、あ、この監督さん好きかも。と思った。

それから何本か見ているけど、正直今作のは好みじゃなかった。ストーリーはとても面白かったけれど、この映画、好きだ!とはならないやつ。2年前に観に行った「愛がなんだ」もそんなに好きじゃなかったなぁ。(ただし2本ともエンディングが大好きなバンドで最高だった)

今泉監督は「知らない、ふたり」「パンとバスと2度目のハツコイ」「mellow」がとても好き。好きだと思える映画に出会えた時は嬉しいし、何度見てもやっぱり好きだと思える。

 

美味しいサンドイッチは本当に良い

映画を観る前にコメダ珈琲に行った。

好きな喫茶店はコロナの影響でお持ち帰りのみの営業になっていたので、その店の近くにあるコメダ珈琲へ。実家にいた頃、近くにあったコメダ珈琲aikoのアルバムを買って聴いたり、免許の勉強をしたりした記憶がある。Tさんと初めてデートする前に時間を潰していたのもコメダ珈琲だった。そう思うと思い入れがあるような…。一人暮らし始めてからは近くにお店がなくめっきり行かなくなっていたので久しぶりだった。ミックスサンドを初めて注文したけど、ボリューミーでカラシマヨネーズが絶妙でとっても美味しかった。映画の時間までゆっくり食べたり、したかったことをしたり、贅沢な時間だった。

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ラプアンカンクリのリネンストールとSITRUUNA

届いてから毎日愛でている。目につくだけでなんだか嬉しい気持ちになる。朝晩の寒暖差もこれでへっちゃら!

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今月は忙しくなりそうだけど、心に負担をかけすぎないように、出来る範囲で、気負わないように。気楽に行こう。

”気”を休めること

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つい先日、体調を崩した。三連休最終日のことである。

ここ最近は引越しのことが主な話題になっている。場所はどこがいいか、間取り、家賃、日当たり、キッチンの大きさ、治安、色々考えだすと本当にキリがない。

この日は仲良しの母と三人で不動産屋に行き、何度目かの内覧日だった。第一希望の物件はすでに埋まってしまっており、第二希望の家を見に行った。

担当の営業マンは「自分は初期費用を下げるのだけは得意っすよ」「お二人さん、アタリっすね」と初っ端からかなりハードルを上げ、ハイテンションで頑張ってくれた。私もシラけていては申し訳ない…!とお店に立つときのテンションで会話した。

内覧が終わり、初期費用を出してもらった。第一希望の物件が埋まってしまったことで焦っていた私は「じゃあこれでよろしくお願いします!」と頭を下げた。お手洗いを借りて出てきたら、Tさんが「一回考えて、また改めてメールすることにしたから。」と一言。ひゃっとした。冷静だ。

不動産屋を出てカレーを食べた。母が「あんたがお手洗いに行ってる間に「彼女は少し衝動的なところがあるんです。また改めてご連絡してもいいですか。」って言っとったよ。しっかりしとるわ〜」と教えてくれた。うーん本当にしっかりしている。

少しだけ母と雑貨屋さんをウロウロし、その間に母の欲しそうなものをリサーチした。もうすぐ来る母の日のプレゼントのためだ。

 

次の日、さて今日は仕事をするぞ!と気合を入れて起きたのにどうも頭が痛い。

朝の家事をする。ゴミ出し、洗濯。コーヒーを淹れる。気を紛らわすために動いてみたけどやっぱり痛い。朝ごはんの後に大信頼を置いている相棒のセデスを飲んだ。これで大丈夫。今日のやることリストを書く。少しだけ勉強をして、お昼は焼うどんを作った。それからみるみる体調が悪くなり寝込んでしまった。

私は第一に、三連休で体調を崩すという自分のバイタリティーの無さに情けなくて泣いた。そして今日の予定が上手く進まないことに泣いた。仕事もして、休憩には楽しみにしていたドラマを見ようと思っていたのに。初期費用全然安くないじゃない、コノヤロウ。セデスに裏切られた。なんだよ、なんだよ。

どうしたどうしたと私を覗き込んでいるTさんに私はウジウジとこれを述べた。するとTさんは「この三日間、気が休まった瞬間はあった?」と聞いてきた。思い返してみる。確かに休みとはいえ、ずっと何かを考えたり調べたりしていたように思う。引越しのこと、お金のこと、そういえば内覧の帰りはとても寒くて体がカチコチになったっけ。

「内覧の日もずっと気が張ってたやろう。休みになってないから、疲れが出たんじゃない?今日は寝とき。」目からウロコだった。気。そうか気を休めてなかったのかと。それでも私の周りはそんなことくらいへっちゃらって感じでバリバリやってる、情けない。とシクシク泣いていた。PMSでもないのにここまでダメな日は珍しかった。本当に自分は圧に弱い。世話がかかる。

 

散々落ち込んで次の日復活した。昨日はごめんねと謝ると「楽しい時に楽しそうで、しんどい時に参ってるところが好きや。」と笑ってくれた。この人の懐の大きさには頭が上がらない。今度肩でも揉ませていただきます。

 

決まりそうで決まらない引越し先。この状態もしんどい。決まったら決まったでやることがいっぱいでまた参ってしまいそうだけども。気を緩めつつぼちぼち頑張ろう。

新しい季節、気を張っている人が多いと思う。コロナの感染者が増え続けていることも大影響だ。そういえば仲の良い後輩ちゃんが新社会人になったばかりで、気を張って頑張りすぎてないか心配だ。会いたいな。どうかちゃんと気を休められていますように。