指先とハンドクリーム

ケアのための日記

2022年に好きになった本たち

特別お題「わたしの2022年・2023年にやりたいこと

とうとう今年も残り少なくなってきた。2022年は私史上、1番たくさん本を読んだ年になったと思う。自分的には学生時代、読書って苦手でそんなに本を読んでこなかったように思っていたけど、母に聞いてみると昔から本を読むのが好きだったじゃない〜だそうだ。そうかな?

中高生の頃はまだ狭いジャンルの本にしか出会っておらず、乙一さんや宮部みゆきさんの「ブレイブ・ストーリー」が大好きで繰り返し読んだりしていた。本=小説だった。

大人になってからの読書は学生の時よりもぐんと楽しくなった。小説といってもいろんな作家さんを読んでみたり、エッセイや実用書、歌集からZINEまで。どんどん本が好きになった。世の中にはたくさんの本があるので、本を好きになれると楽しい。買わなくても、本屋をぶらぶらするだけで楽しいのだ。

今年読んで大好きになった本をいくつかここで紹介しようと思う。

f:id:Stephan_ours:20221226172132j:image

水上バス浅草行き」岡本真帆

今年の春この本を読むまで、「現代短歌」というジャンルを全く知らなかった。短歌といえば、百人一首。私の中での短歌は「我が衣手に雪は降りつつ」で止まっていた。現代短歌って何!?こんなに今時の言葉で…いいの!?いいのか!なんて素敵なんだ現代短歌!と大感激し、こっそり自分で作ってみたりもした、そんな春。(字数に悩むのがイヤになりすぐやめた。)この本の短歌は手に取るように分かるものから胸にじゅんと沁みるものまでたくさん詰め込まれていて大好きな一冊。好きすぎて、おばあちゃんと、今年の夏異動してしまった大好きな女の子に贈った。

 

「まばゆい」僕のマリ

僕のマリさんといえば「常識のない喫茶店」という喫茶店で働く日々のエッセイ本が有名で、接客業をしている私にとっては本当に共感と救いのような本だった。でも私はこっちの「まばゆい」の方がもっともっと好きだ。この本もエッセイなのだが、喫茶店でのエピソードではなく、僕のマリさんの周りの人たちについて書かれてある。その人たちの、その生活の、なんと愛おしいことか。自分のことではないのにすごく惹かれて、買ってすぐにカフェに入って読んでいたのだが、涙がじわじわ止まらないから読むのをやめて帰った。読み終わるのが惜しくて1エピソードづつ大切に読んだ本。

 

「TODAY'S SPECIAL 今日をどう楽しむ?「食と暮らしのDIY」春夏秋冬のおうち時間」

好きな雑貨屋さんが本を出した!本当にどツボの内容。春夏秋冬を軸に、その季節を、暮らしを楽しくするアイディアが載っている。春なら朝ごはんと花。トーストのレシピや食器、花の生け方など。夏はハーブとそうめん。ハーブの効能やそうめんのレシピなど。秋は文具にコーヒー、ご飯。冬はクリスマス…といったように、季節って楽しみが盛り沢山だ!と思わせてくれる本。これを読んだからといって、全てを真似できるわけじゃないけど、気分が上がるので「ちょっと整えてみるか…」と家のことに手をつけやすくなる。ご飯とかコーヒーとか植物って本当にいいよなぁと改めてしみじみ思える本。

 

「虎のたましい人魚の涙」くどうれいん

この秋に出たばかりのエッセイ集。くどうれいんさんの本は初めて読んだのだが、もっとこの人のことが知りたい!と思ってまだ読み終わってないのに前作のエッセイ集「うたうおばけ」も買ってしまった。お守りみたいにキラキラとしたものからちょっと心がしくしくしたり、ちょっと笑えたり、いろんなエピソードがあってどんどん読みたくなる。実はこの本を読んで、私も文章が書きたい。とぶわっと思ったのだ。それではてなブログを再開したのである。エッセイを読むと、その人の感じや生活が少し覗ける。エッセイと日記ってかなり似てると個人的に思う。とりあえずエッセイなのか日記なのかは分からないけど私も書いてみようと思ったのだ。あと数ページを残してまだ読み切っていない。年内に大切に読みきる予定。

 

「日常の中に生まれてくるある瞬間について」安達茉莉子

日常の中で出会う、大切で心に残したい瞬間。ぴたりと当てはまる言葉はない「あの感じ」がたくさん書かれている詩画集。イラストのクマちゃんが可愛くて可愛くて。この本は本屋さんで立ち読みしているときに見つけた。立ち読みしているとたびたび「ぐ……」となる本に出会う。言葉には出来ない「あの感じ」を誰もが持っている。私は何だろうと考えてみた。「休みと分かっていて目覚める朝の、あの感じ」「気取らない格好をして街を歩く、あの感じ」そして「本屋さんで立ち読みしていて「ぐ…」となる、あの感じ」が好きだ。この本の中に出てくる「あの感じ」は私の語彙力では到底書けないストーリーと感情が詰まっているので、是非読んでみてほしいと思う。

f:id:Stephan_ours:20221226172404j:image

 

小説も読んだが、今年は特に好きなエッセイにたくさん出会えた年だった。ちなみに小説のなかでは町田その子さんの「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」漫画では真造圭伍さんの「ひらやすみ」がダントツだった。読めば読む分だけ「ぐ……」な本に出会えることを知ってしまった2022年。来年もたくさん本屋に通おう。

 

最近読んだ三冊

今日は引っ越し当日!今新しい家に向かっているところなので下書きしておいたことを更新しようと思う。しばらくゆっくり本を読む時間はなさそうだけど、落ち着いたらまた時間を作って読みたいな。

本に触れている時間はやっぱり豊かだ。

最近読み終えた3冊について。内容に触れているので、これから読む方はご注意下さい。

f:id:Stephan_ours:20210520141020j:image

「やめるときも、すこやかなるときも」窪美澄

来る日も来る日も椅子を作っている家具職人の壱晴と会社員の桜子。壱晴は過去にあった出来事が原因で12月の数日間、声が出なくなる。それを知った桜子との物語。

実家暮らしの桜子は家庭に複雑な事情を抱えていて、桜子の稼ぎがないと生活がままならない状況である。酒に溺れる父、暴力を振るわれるままになっている母、自分より早く結婚し、子供をつれて実家にたびたび帰ってくる妹。そんな桜子が壱晴と出会い、声が出なくなること、過去にあった出来事を知り少しづつ変わっていく。家族も変わっていく。その感じがとても良かった。壱晴の過去についても明らかになっていくが、桜子の心情の方にとても惹かれた。最後はとてもさっぱりとした終わり方で、桜の散る穏やかな日みたいな気持ちになった。

壱晴が川辺で食べていた卵サンドがとても美味しそうだった。ネルドリップで淹れていたコーヒーも。作中に出てきた卵サンドは厚焼き卵のタイプだった。

 

「それからはスープのことばかり考えて暮らした」吉田篤弘

吉田篤弘さんの作品は随分と前に本屋で立ち読みした際に「なんか洒落ている…けしからん!」と意味の分からない印象を持ったキリ、読んだことがなかった。が、この作品がなんとなく気になり買って読んで、すぐに大好きになった。立ち読みした時に感じた「なんか洒落とるなぁ」というのは何かというと…上手く説明できないが、吉田さんの書く文章は”物語”という感じだ。映画を見ているような感じ。それがとても心地よく、読みやすい。それと、少し洋風なテイストが多いように感じた。シネマ、スープ、サンドイッチ、マダム…などなど。それが洒落てると感じた理由だと思う。

この作品に出てくる登場人物はみんな愛らしい。一人一人にドラマがあり、親しみがある。主人公のオーリィ君という青年は商店街にあるサンドイッチ屋さんで働き始める。そのサンドイッチに合うスープを作ることを任命され、試行錯誤する日々が始まった。スープみたいに温かい物語だった。サンドイッチ屋〈トロワ〉のハムのやつ、私も食べたいなぁ。

 

つむじ風食堂の夜吉田篤弘

「それからはスープのことばかり考えて暮らした」がシリーズものだったことを知り、それなら第1作目も読まなきゃと手にした。”月舟町シリーズ”と呼ばれるもので3冊の作品+番外編を含めた4冊の構成になっており、順番関係なく楽しめるようにもなっている。

食堂に訪れる人々を描いた作品。悩んでいたり考え事をしていたり、定食を味わっていたり…。外で一人で食事をする時の私とおんなじだなと思った。ほとんど毎日タンクトップ氏と一緒にご飯を食べるのでいつも何かお喋りをしているが、たまに外で一人の時は黙々と食べる。何も考えずぼーっと食べるのが好きだけど、色々考えてしまうときもある。どっちもいい。そういう風にぼーっとしたり、はたまた考えたりできる場所っていいよなぁと思う。

この作品も登場人物が最高にユニークで愛らしい。

 

f:id:Stephan_ours:20210520141331j:image

新しい家の新しい風に吹かれながら、やっぱり穏やかに日々過ごしたい。着いたら荷解きか〜…早くゆっくりしたいので頑張るとします。

 

最近読んだ三冊

空き時間についつい携帯を触ってしまうのがもったいなくて、だからと言って別の何かをするにはちょっと大袈裟だなぁという時。やっぱり読書がいいなと思う。

映画は区切らずに一気に見たいからまとまった時間が必要だし、日記を書いたりするのは気力がないし。料理をするのは億劫だし…(笑)と何かと理由をつけて遠ざけてしまうけど、読書は私の中でのハードルが下がりつつある。

開けばすぐに始められるし、数ページ読んだところでやめてもいい。最近は朝ごはんを食べながら読むことが多い。感想とも言えないものだけど少しだけ書いておこう。(内容に触れる部分もあるかもしれないのでこれから読む方はご注意ください)

 

f:id:Stephan_ours:20210401201903j:image

「たゆたえども沈まず」原田マハ

印象派である画家、フィンセント・ファン・ゴッホの物語。ゴッホは生きている間に一枚しか絵が売れなかったという。(諸説あり。一枚も売れなかったという話も)亡くなってからその才能が認められ、作品は大きな美術館に飾られ、今も世界にたくさんのファンがいる。ゴッホは生きている間から人気の画家だと思っていたのでそのことを最近知り、驚いた。ゴッホのことを知りたいと思いこの本を手に取った。

史実をもとにしたフィクションなので原田マハさんの物語になっているが、ゴッホの一生が細かくしっかりと描かれていた。自分の絵をまだ受け入れようとしない世の中に苦しみ、自分の人生や絵に対する苦悩がいつもついてまわる人だったのだとこの本を読んで思った。

 

「すべて真夜中の恋人たち」川上未映子

女性特有の感情をまざまざと見せつけられた印象だった。嫉妬とか、打算とか強がり、よく見せようとする気持ちなどなど。どろどろとしたもの。マウントを取る、なんてのもね。私はそんな感情持っていません、知りません、なんて人は一人もいないと私は思う。登場人物も”本当のいい人”なんて一人も出てこなかった。

こういった黒くて厭らしい感情とひそやかで煌めく恋心に主人公の気持ちは揺り動かされ、今まで避けてきた人との関わりや本音を見せ合うこと、そして三束さんと出会ったことは主人公にとって良かったと思った。

 

「サクラ咲く」辻村深月

若い読者に向けて書かれた作品らしく、簡単な漢字にもルビが振ってあって微笑ましかった。三つの短編集だったが表題作の「サクラ咲く」は続きが気になりどんどん読み進めてしまう面白さがあった。主人公マチの勇気を出す瞬間、変われたこと。瑞々しくて青春だなぁ〜となってしまった。眩しい。

 

今は吉田篤弘さんの本を読んでいる。かなり好みでこの人の本はたくさん読んでみたいと思っている。服装も軽くなってきてアイスコーヒーが美味しい日も増えてきて、なんだかより気軽に読書が出来る気がする。