指先とハンドクリーム

食べたり読んだり日記を書いたり

日記:1月10日〜15日

1月10日

7時半起床。コーヒーを淹れる。たった30分でも、早く起きられると気持ちの余裕が全っ然違う。パソコンを開いてちょっとだけ仕事。お昼頃に家を出る。今年の冬まだカキフライを食べていないと思い、カキフライ定食を食べに行くことにした。3連休明けだし、お店は空いてるかなと暖簾をくぐるとめちゃくちゃ混んでいた。

「お姉さんお一人様?ごめんね、カウンター席でもいい?」とおばちゃんに言われ、ど真ん中のカウンター席に座った。このお店は、お昼からおでんと熱燗で一杯やっているおじちゃんが8割のお店だ。いつ行っても私が最年少である。ちょっと浮く。でも、私はここの定食が大好きで、中学生の頃からたびたび通っている。おじちゃん、2人組のおじちゃん、おじちゃん、私、サラリーマン、おばちゃま、といった並びだった。隣のおじちゃんは古田新太に似ていて怖かった。でも、レモンチューハイを頼んでいた。なんだ私と同じじゃん、と思いちょっとホッとする。若干の視線を感じつつも今年初のカキフライを頬張る。衣が薄くてサクサクで、タルタルソースは具材が大きめでゴロゴロしていて牡蠣とよく合って美味しかった。ゆっくり食べて、食べた後はすぐ出た。私が隣に座っていたからか、古田新太がそわそわしていた気がする。

本屋に寄って、「女の園の星」を買った。カフェに行って、さっそく読む。面白いけど、私は断然「ひらやすみ」の方が好きだなと思った。1時間半ほど勉強して帰る。

 

1月11日

仕事から帰ると、Tさんのお義母さんから荷物が届いていた。大きなサイズのパジャマだった。紺色に白いくまちゃんがプリントされていて超ラブリーである。ちゃんと私の分のパジャマも入っていて、とても嬉しい。私のは赤いギンガムチェックで、超超ラブリーだった。起毛したフランネルで肌触り最高だ。それに大きくておしゃれなブランケットも入っていた。「これはゆきこちゃんに」って電話で言っていたそうだ。家であったかくして過ごせるように選んでくれたのだと思うとそれだけで嬉しくて、それを羽織ってしばらく小躍りした。あとはお湯を注ぐだけで玄米お粥が出来たり、お湯を注ぐだけでワカメスープになる乾燥わかめなどが入っていた。”お湯を注ぐだけ”というのは私の大好きな言葉だ。たった一度会っただけなのに、なんで分かったのかなぁ。

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1月12日

職場の人とウィンドーショッピングをしてから、一緒にお昼ご飯を食べた。自分と同年代か、歳上の人と会うと必ずと言っていいほど結婚出産の話題になる。私だって気になる話題だし、いろいろと参考になることも多い。でも、29歳になってからの約半年、あまりにも「結婚の話は出てるの?」「結婚のご予定は?」「結婚はいつするの?」「もうすぐ結婚かな!?」と聞かれることが多かった。

正直に書きます。「うるせーーーーーーー!!!!!!!!」(笑)結婚!?ああしたいね明日にでもしたいね!!!だから、するって、言ってんじゃん!!!!時期まで答えなきゃならないのか。

多分結婚について聞かれるのがイヤなのではない。金銭的な問題や2人の関係性に問題がないのか、探りを入れられているようでイヤなのだ。

誤解のないように書いておきたいのだが、一緒にご飯を食べた人が悪いのでは全くない。完全にタイミング的な問題だった。今日、また久しぶりにイヤになった。Tさんはこういった圧もなく、(私からの圧はあるだろうけど)ほどよくスルーしたり説明したりする疎ましさもなく、出産に関するモヤモヤもなくていいよね!!!!と毎度のことながら気持ちがクサクサする。でも、それを再度彼にぶつけるのは違う。Tさんとは去年、何日もかけて真剣に話し合ったのだから。Tさんは犬にも子供にも、子連れのママにも新人バイトにも優しい、本当に心優しい人間だ。仕事も一生懸命頑張ってて、ふかふかの広い心で、トゲトゲの塊みたいなときの私もまるごと受け止めてくれる。誰よりも私と、楽しい時間を共有してくれる。それなのに、どうして、どうしてそんな風に思われないといけないんだろう。どうして私はそんな事を気にしているんだろう。結婚してないとまるで、まるで大切にされていないかのような世の中の風潮。私は昨日も今朝も、十分に大切にされた。今まで出会った誰よりも。イカリスーパーでタコシェルを探しながらどうして、どうして、と思って悔しくて涙が出た。

「仲良くやっていますのでどうぞご心配なく」と嫌味なく言えたら、それだけの説明で済めば、どれだけいいだろう。せめてもの小さな抵抗としてここに綴る。

帰ってからTさんとタコスパティーをしながら007シリーズの映画を見た。ジェームズ・ボンドに抱っこされたい。

 

1月13日

起きてからなんでもなかったのに、仕事をしているとむくむくと昨日のことを思い出した。私の不安はいつ結婚するかなんてことよりも、子供についてだ。タイミングよく授かれる保証なんてどこにもなく、もし不妊だったらと思うと不安になるのだ。ならいっそ、ブライダルチェックを受けてみようかとネットで調べるとそこそこなお値段。なんか怖そう。やっぱり痛いのだろうか。Tさんに話す。なぜ、私だけが外で言われたり、妊娠について心配し、怖そうな検査を受けないとならないのか。吐き出すと、Tさんは真剣に聞いてくれて、「検査代は俺が出すから受けた方がいいと思う」と言ってくれた。「そーんな心配するなって☆」とか言われたらどうしようと思っていたが、真剣に聞いてくれてホッとした。全額は申し訳ないので半分づつ出して、春になったら受けようと思う。

 

1月14日

お客さんに謝って、すぐ切り替えて笑顔で接客の繰り返し。途中から左目が痙攣する。閉店して店を出てから、店の鍵を持ってきてしまったことに気づく。皆先帰っててー!と言い残し戻る。鍵を戻し、電気を消しながら今日は疲れたなとため息をついた。とぼとぼ歩いていると、さっきの横断歩道のところで皆が待っててくれた。今日1テンションが上がった。走って駆け寄る。

 

1月15日

今日はたっぷり休む日にしようと思い、11時に袋麺の王様である出前一丁を作る。「あ〜らよ♪」って気持ちでせめてもののにんじんを入れた。私がHomePodに話しかけるのは袋麺を茹でる3分タイマーをセットするときだけだ。にんじんと麺が柔らかくなったら、粉末スープと卵を入れる。昨日のTさんが作った麻婆豆腐の残りがあったから小盛りのご飯にかけてミニ麻婆丼付きの豪華なラーメン定食になった。食べながら「せいいっぱいの悪口」を読む。この本面白すぎる。変わっているかもしれないが、私はお鍋で作るラーメンが煮込みすぎてテロテロになるのが好きだ。3分経ってから卵を入れるので毎回麺はテロテロになっている。いつも敢えて長く煮込んでいる。あと、麻婆丼は豆腐を崩してご飯に混ぜながら食べるのが昔から好きだ。小さい頃「行儀悪いから混ぜずに食べなさい」と言われたが、母と、Tさんと、あと1人で食べるときだけぐちゃぐちゃにする。Tさんは私の(家だけの)行儀の悪い食べ方を見ても何も言わず、一緒に暮らしてすぐの頃、「ごめんね、豆腐とご飯が混ざるとすごく美味しくって…」とおずおずと言うと「好きに食うたらええ」と言ってくれた。彼も結構行儀が悪い。でも、外に出るととてもきれいに食べる。姿勢も、箸やフォークの使い方もすごくきれい。だからええやろ、だそうだ。誰も見てない自分だけのお昼ご飯、行儀が悪くても変な食べ方をしてても何も言われない。面白い本を読みながらダラダラ食べて、きっとニヤニヤしていたのだろう「楽しいんか?」と訊かれた。楽しい!と即答すると「ゆきこが楽しかったらなんでもええ」と言いながら去っていった。彼が年下なことを、いつも忘れてしまう。この人には、かなわない。